「戦国千葉」: 例年以上に”大激戦”だった千葉県予選大抵はどこの都道府県も甲子園出場の「本命」が居て、それを阻止すべく「対抗馬」が居て・・・地方予選が繰り広げられるワケですが、こと千葉県予選となると「例外」の域に入ります。有力選手が県内各地に分散するというか、毎年のように優勝候補が10校〜20校、もしくはそれ以上とも言われる「戦国千葉」、今年の予選もその言葉に恥じない「大激戦」でした。昨年秋の関東覇者である、唐川投手擁する成田が早々と敗退。春季関東大会ベスト4の東海大浦安、そして昨夏代表の銚子商も準々決勝で敗退。絶対的な本命不在のなか混戦の様相を呈した今大会で1校の「シンデレラチーム」が千葉県予選を席巻しました。市立稲毛高校、2回戦で上述Aシードの成田を破り、準々決勝でも強豪・市立船橋を破る「快進撃」を見せた高校です。この県内有数の進学校が有名強豪校を連破して、このミラクルが「戦国千葉」をより色濃いモノとさせていきました。
「親子鷹」: 2年前の勢い再び・・・甲子園のキップを掴んだ「ダークホース」千葉経済大付その市立稲毛も、さすがに準決勝では「横綱」拓大紅陵に力負け。拓大紅陵は例年通りの「ソツ無い野球」に加え、上記の「スーパー2年生」大前勇人選手という「スター」をも擁するチーム。(Oranje徒然草【第80段】「木更津」にも書きましたが)昨夏は決勝戦で延長戦の末に銚子商に惜敗、あまりの悔しさに泣き崩れ、試合後の閉会式に姿を見せられなかった大前くんが一回り”大きく”なって千葉県予選決勝戦へ舞い戻りました。松丸主将をはじめ、昨夏の「悔しさ」を味わった選手を軸にファイナルに勝ち上がってきた紅陵・・・決勝の相手は、こちらも大方の予想に反してダークホースのノーシード校・千葉経済大附属。2年前の夏には松本監督×松本啓次朗投手の「父子鷹」でダルビッシュ・東北を破る金星!甲子園ベスト4まで進出した高校です。
紅陵と経大付による今夏の決勝戦、8回まで3-0と経大付がリード。しかし8回裏、紅陵は大前くんの2ランホームランで3-2と反撃の狼煙!9回には併殺崩れの間に3-3、土壇場で同点に追いついた紅陵!なお2死2,3塁とサヨナラ勝ちの大チャンス。ここで紅陵のバッターは「スーパー2年生」大前くん。対する千葉経済大附のマウンドを守るのは「1年生ストッパー」内藤くん。負けたら終わりの夏予選、しかしこの両校の命運を握るシーンは・・・まだまだ「先がある」この両者の対決に凝縮されました。結果はセカンドフライ、己の決め球スライダーを信じて投げ込んだ内藤投手がスラッガー・大前くんを封じました。紅陵はチャンスを逸しました。
その後、延長10回に思わぬ形で決着が着きました。今度は逆の形で経大付が2死2,3塁、ここで内野ゴロ、凡退か・・・3アウトかと思った紅陵側に落とし穴。内野ゴロ処理を誤まり一塁送球が一塁手の遥か頭上へ・・・これで塁上の2人の走者が生還し5-3、延長戦で勝ち越した経大付が甲子園のキップを掴みました。今回も松本監督の次男・歩己くんがショートを守り、再び「親子鷹」で臨む今夏の甲子園。啓次朗投手の時はベスト4、今年のチームは1,2年生も多いヤングチーム。再び経大付が千葉県代表として「旋風」を巻き起こす可能性もあるはず。松本監督の目標も「全国制覇」、駒大苫小牧、横浜、清峰、八重山商工ら(岐阜城北は・・・(泣))続々と強豪が集う今夏の選手権・・・この層々たる顔ぶれの中でも存在感をぜひ見せて欲しいです!
そして2007年春、2008年春と2年連続センバツ出場の千葉経済大附属、着々と「全国制覇」の道へ・・・
「拓大紅陵」: 2年連続の「Runners-Up」・・・大前くん、チャンスはあと2回のみ。準々決勝では銚子商に昨夏のリヴェンジを果たしました。大会を通じてシード校が続々と姿を消して行きました。今年こそ紅陵・・・そう信じて疑いませんでした。それだけに、この決勝の速報を聞いて愕然としました。紅陵らしい粘りを見せ、大前くんも上述の2点本塁打を放ち・・・2年越しの「ドラマ」を演出する要素も十分にありました。しかし、そのドラマは2年連続の「Runners-Up」という厳しい結末に・・・。昨夏の甲子園では本田くん(京都外大西)、中田くん(大阪桐蔭)という関西の「スーパー1年生」が大暴れ。その活躍の”輪”に入れなかった関東の「スーパー1年生」は2年となった今年、ケガをも乗り越えて念願の甲子園出場に挑みます。
しかしチームは昨秋は昨夏と同じ銚子商に敗れ、今春はセンバツ出場校・成田にコールド負け。なかなか歯車の噛み合わないチームながら、松丸主将を中心に「まとまり」を取り戻しました。エンディングはミスによる「Bad Day」な結末となってしまいましたが・・・「戦国千葉」な大会の中で紅陵の底力は見せました。「スーパー2年生」大前くんに残された甲子園出場のチャンスもあと2回のみ。次は主将で?「スーパー3年生」になる大前くんに、果たして甲子園の舞台は用意されているのか否か・・・次こそは”前者”であると祈りたいです。
そして1年後、07年7月22日の千葉県予選4回戦「鎌ヶ谷 11-3 拓大紅陵」まさかの「8回コールド負け」という信じられんニュースが。ABC「速報!甲子園への道」放送開始前に姿を消すなんて・・・気持ちの整理がまったく付きません。この3年間で甲子園出場がゼロ。ただただ涙目に暮れる、大前勇人くんの最後の夏・・・
ミスで自滅した紅陵・・・今春センバツでも守備から自滅したチームがありました。【#45】「Bad Day」で書いた関西高校(岡山)、こちらは春センバツ後に春季中国大会優勝、そして夏の岡山県予選も制して、相変わらず県内(中国地方内も?)「敵無し」で・・・夏の甲子園に帰ってきます!そう、熊代くんが甲子園に戻ってくるのです。彼らも当然、春の「忘れ物」を取りに来るはず。アムステルダム・トーナメントを挟んで、いよいよ開幕ですね。(平成の新怪物・田中投手を軸に)駒大苫小牧の夏3連覇、そして(野球センス抜群のショート・高濱くんを擁する)横浜の春夏連覇がクローズアップされるであろう今大会に、きっと関西も割って入るはず・・・拓大紅陵が(2年連続で)甲子園に手が届かなかった現在、関西高校は今夏も”最注目”チームです。熊代くんのみならず「上下コンビ」や強打の安井主将を打の中心に・・・豪快な野球を繰り広げてもらいたいモノです。出来れば関西は初戦(同ブロック内)での駒苫、横浜との対戦を避けて欲しいなぁ・・・あと経大附とも(爆)
”雨チーム”千葉経済大付も豪雨に屈した2006年夏の甲子園については【#63】「ベストバウト」の記事にて
